外科的治療 |
腫瘍の外科的治療とは、手術によりその腫瘍を取り除くことです。 特殊な腫瘍を除いては、腫瘍を根治させるには最も適した治療です。 外科的治療法にもちゃんと目的は存在します。 その手術は、腫瘍を根治させるための手術なのか、 腫瘍が治らなくても、いい生活を送るための、 対症的な(緩和的な)手術なのか、 腫瘍の正体を知るための診断的な治療なのか。 目的なき手術は動物をただ単に切り刻んでるだけです。 また、手術には見積もりというものが存在します。 第1に先にあげた 手術をする目的はなんなのか、 第2にそれは 摘出可能なものなのか? 摘出により機能的な障害が生じないのか? 手術をする人、手術を行う施設も含めて切除可能なものなのか? 第3に 手術を行う動物が手術できる状態なのか。 手術を行う前に、これらの見積もりがあって手術が可能になります。 摘ってみなければわからないとか、 おなかや胸を開けなければわからない ということも場合によってはありますが、 それらも手術の見積もりの上での話です。 また、手術は執刀する術者の技術、 経験に大きく左右されるのも事実です。 肝臓癌や肺癌、腎臓癌などいくつかの腫瘍になると、 知識、技術、経験が揃っていなければ、 私にはとても切除できるものとは思えません。 もし、手術に疑問があったなら、 執刀する獣医師に以上の点をしっかりと インフォームドしてもらうといいでしょう。 |