・高度医療について |
私の出身大学の附属動物病院には、 内科、外科を始め、腫瘍科、眼科、整形外科、 皮膚科、循環器科など、いくつかの科が存在し、 一般の開業の先生から紹介された患者さんを 二次診療として診療しています。 人の病院では、多くの科が存在し、 その科に行くことにより高度な診療を受けることが可能です。 当たり前のことですが、その科の先生はその分野に関して、 他科より多くの知識や技術、診療経験を持っているため、 他科の先生よりその分野の病気はもちろんのこと、 難しい病気や数の少ない病気に関して、より高度な診療が行えます。 しかし我々の獣医の世界では、大学などの限られた施設でしか より高度な診療を受けることができないのが現状です。 獣医の大学病院は、すべての都道府県に存在しないので、 日本にいるすべての動物達が気軽に より高度な診療を受けることはできません。 私は腫瘍のことしか言えませんが、 肝臓癌や肺癌、腎臓、消化器系の腫瘍など、 発生の少ない腫瘍でかつ治療が難しい腫瘍は、 十分な知識・診療の経験のもと、 すべての獣医師が診断・治療を行えると思えません。 また、数の多い乳腺腫瘍などでも、かなり数を診断・治療してきた人と そうでない人では差があるものだと思います。 これからの将来は、専門的な知識と経験を持った獣医師が もっと増えてくると思います。 日本各地で高度な診療が可能となることを私は望みます。 |