犬の肥満細胞腫

 

犬に発生する肥満細胞腫はほとんどが皮膚に発生します。

比較的若齢から発生し、いくつかの犬種に発生の多いものもあります。

犬の肥満細胞腫は全て悪性腫瘍として扱います。

また、皮膚に発生する悪性腫瘍の中では、

肥満細胞腫は一番多い腫瘍です。

肥満細胞腫のことを偉大なる詐欺師と呼んだ先生がいますが、

それだけ肥満細胞腫は様々な性格を見せます。

しこりの硬さは硬いものから軟らかいものまで、

急に大きくなったと思ったら、

しこりが小さくなることもあります。

その悪性度も何もしなくてもなんの影響のないものから、

できることを全て行っても予後不良だなんてものもあります。

それだけ、幅の広い腫瘍なのです。

肥満細胞腫は肥満細胞の腫瘍なので、通常の肥満細胞が分泌する、

ヒスタミンやヘパリンなどももっています。

肥満細胞腫がある場合、それらがたくさん分泌されるために、

しこりからの出血が止まらない、

胃・十二指腸に潰瘍ができることがありますので、

そちらもよく診ておいた方がいいでしょう。

 

その治療は手術による摘出が第1選択です。

特に1番最初の手術が最も大切です。

先にも述べましたが、

肥満細胞腫はいろんな性格のものがいます。

ゆえに最初の診断時にその肥満細胞腫はいい性格のものなのか、

それともかなり悪いものなのか、

ある程度めぼしをつけなくてはいけません。

手術でとってみないとわからないでは、いけません。

相手の悪さがわかってはじめて手術の見積もりが決定します。

肥満細胞腫にはいくつか有効とされる抗癌剤があります。

手術で取りきれていない場合、再発する確率が高いので、

さらなる手術ができない場合は、

使用することも1つの選択肢になります。

 

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