犬の皮膚の腫瘍 |
犬の皮膚の腫瘍には様々な種類があります。 ここでは、 皮膚の腫瘍に類似するしこりについて記載します。 |
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犬に発生する腫瘍は、麻布大学での発生を見ると、良性悪性ほぼ同率です。 しかし、大学には悪性腫瘍疑いが多く来院することと、 実際の臨床現場を考慮すると、圧倒的に、良性腫瘍か非腫瘍性病変が多いように思えます。 当院に来院される患者さんを見ても、 皮膚にあるしこりを動物病院に行って見てもらったら、手術を勧められたのだけど、 「本当に手術しなくてはいけないのでしょうか?」といったケースがかなり多いです。 良性腫瘍は、存在していても、動物になんの害も与えないことも多いです。 当院では、良性腫瘍に対し、いくつかの手術適応基準を定めて、 その基準に当てはまるものを患者さんに説明し、手術を1つの選択肢として提示し、 それ以外は、経過観察をして頂くことをお勧めしています。 また、しこりは取ってみないと悪性か良性かわからないと言う人もいます。 確かに切除しないとその正体が分からないものもありますが、 皮膚に発生する腫瘍や非腫瘍性のしこりの多くは、切除する前の検査である程度目星がつきます。 もっと言えば、良性と悪性腫瘍で手術の術式や大きさが変わります。 手術の仕方が変わるのに、その正体が分からないって?、いったいどんな手術をするのでしょうか? |
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当院での良性腫瘍の適応基準 |
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しこりの存在により、動物に歩行障害など、機能的障害を起こしている場合。 (例:巨大な良性腫瘍) |
しこりが破裂し、自壊・感染などを起こしている場合。 |
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良性腫瘍を疑っていても、増大傾向などの悪性を疑う臨床所見が認められた場合。 |
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その腫瘍が、ホルモン産生腫瘍の疑いがあるとき。 (猫の甲状腺腫瘍、犬のセルトリー細胞腫など) |
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美容上の理由。 |